沖縄尚学・比嘉監督「全国との差」習志野の執念に脱帽
「全国高校野球選手権・1回戦、習志野5-4沖縄尚学」(9日、甲子園球場)
「四つ、四つ!」。美爆音と呼ばれる習志野ブラスバンドの大音響に、その声はかき消された。十回1死二塁の守備。中越えの飛球に対して中継に入った沖縄尚学(沖縄)の二塁手・水谷留佳内野手(3年)に本塁への送球を指示する声は届かなかった。
タッチアップ体勢に入っていた二走のスタートが遅れたことに気づかなかった水谷は、打者走者の三進を防ごうと三塁へ送球。その間に二走が勝ち越しのホームを踏んだ。これが決勝点。最後に思わぬ“敵”に守備を狂わされた。
四回から2番手で登板した永山蒼投手(2年)は粘り強く抑えた。だが1点リードの九回、1死から安打と二盗を許し、守備の乱れと適時打で同点。「九回のあの場面で盗塁してくるなんて…。これが全国との差かなと思った」と、比嘉公也監督(38)はセンバツ準優勝校の勝利への執念に脱帽した。