星稜・奥川「失投です。スライダーが抜けた」 履正社・井上に3ラン、今大会初自責点
「全国高校野球選手権・決勝、履正社5-3星稜」(22日、甲子園球場)
石川県勢の悲願はまたも持ち越しとなった。星稜(石川)は相手を上回る13安打を放ちながらつながりを欠き、3得点。エース奥川恭伸投手(3年)は11安打を浴びながらも粘り強いピッチングを見せたが、履正社打線を封じ込むことはできなかった。
「みんなが“絶対に逆転してやる”と言ってくれ、最高の仲間と野球ができた。笑顔だけは崩したくなかった」と奥川。唯一悔いが残るとすれば、あの1球か。
2死から2四球を与え一、二塁となり、履正社の4番・井上広大右翼手(3年)に投げた初球がまさかのコントロールミス。真ん中高めに浮いた117キロのスライダーをセンターバックスクリーン左へ3ランを運ばれた。奥川も「失投です。スライダーが抜けた」と振り返り、顔をくしゃくしゃにした。
バッテリーを組み、3安打したキャプテンの山瀬慎之助捕手(3年)は「勝ちたかった。奥川は調子悪かったが、うまくリードしてあげていれば」。林和成監督(44)は「奥川は粘り強く投げた。打った井上君を褒めるしかない。打線はつながらず、細かいミスもあったが、選手は良くやってくれた」と健闘をたたえた。