佐々木160キロ出た!大学侍斬り 1回を完璧12球で0封2K…さあ「世界一」へ
「侍ジャパン壮行試合、高校日本代表5-5大学日本代表」(26日、神宮球場)
「第29回WBSC U18ワールドカップ」(30日開幕・韓国)に出場する侍ジャパン高校代表が26日、神宮球場で同大学代表と壮行試合を行った。先発マウンドに立った佐々木朗希投手(3年)は、スカウトのスピードガンで最速160キロを計測するなど1回を無安打無失点、2奪三振と圧巻の投球。試合は1点リードの九回に追いつかれて引き分けたが、高校代表の健闘が光った。
どよめきと大歓声が、心地よく全身をかけ巡る。佐々木は1人の走者も許すことなく、跳ねるようにベンチへ戻った。「一球一球に対する歓声だったり声援がすごくたくさんあったので」。笑顔も浮かべた1回無安打2三振。「令和の怪物」の異名にふさわしい快投だ。
「三者凡退で投げられて良かったです。出せる力を出していければと思います」
大学日本代表を相手に圧巻の投球を見せる。初回、先頭の宇草を1球で左飛に打ち取り、続く小川には3球目に156キロで空を切らせて、最後はフォークで空振り三振。3番の柳町には、152キロで空振り三振を奪ってフィニッシュだ。
普段とは違う大会公式球も「うまく対応できました」と話す。指のかかりも問題なく、ネット裏で視察したDeNAのスピードガンで最速160キロを記録。ただ「(球速が)出たことはいいですけど、もっとコントロールできればいいかなと思います」と、目指すレベルは高い。
大船渡に入学後、これが初となる“全国の舞台”。「すごく楽しみながら投げることができました」。どこか伝説的に語られてきた163キロ右腕が、堂々と150キロ超えのスピードボールを連発。ファンが感嘆のため息に酔いしれただけでなく、チームメートの闘争心もかきたてられた。
試合後、登板がなく一塁ベースコーチを務めた奥川は「めちゃめちゃ速い。球の速さでは追い付けない。ただ燃えますよ。負けたくない」と力を込めた。甲子園で伝説的な投球を見せた男が「逆の立場だったら(佐々木が甲子園に出たら)もっとすごいピッチングをしていると思うので」と話すからこそ、佐々木の実力が群を抜いているという事実に説得力が備わる。
わずか12球のショータイム。もっと見ていたかった。そんなファンの思いには世界の舞台で応えてくれる。「世界には強いチームがたくさんいて、簡単に勝たせてもらえないと思うので、チーム一丸となってやっていきたい」。輝きを増す日本の宝。衝撃は海を越え、世界一への道しるべとなる。