「巨人６－２広島」（２８日、東京ドーム）

　巨人は頼れる主将が負の流れを断ち切った。前夜まで２戦連続完封負けを喫していたチーム。坂本勇が会心の一発で勝利に導き、本拠地は歓喜の渦に包まれた。

　打った瞬間、それと確信する抜群の手応え。背番号６はベンチを振り向き白い歯をこぼした。２点を追う五回に亀井の適時打で２３イニングぶりの得点を挙げ、なおも１死一塁の場面。甘く入った初球を見逃さなかった。打球は高々と舞い上がり左翼席上部にある「キリン一番搾り」の看板を直撃。本塁打王争いでソトに並ぶ３３号逆転２ランに「今年一番、完璧なホームラン」と自賛した。

　この日も途中交代するなど体の状態は完璧とは言えない。それでもチームを引っ張る姿に、原監督は「万全ではないんですけど、プレッシャーのかかる場面で自分のスイングができる」と称賛を惜しまない。

　２４日に点灯したマジックを１９に減らしたが「まだ気にして戦う数じゃない。目の前の一戦一戦」とかぶとの緒を締めた坂本勇。自らが目指す主将就任後の初優勝へ突き進む。