永田監督 韓国メディアからの直球質問にキッパリ 30日U18W杯開幕
「U18W杯」(30日開幕、機張)
「第29回WBSC U18ワールドカップ」(30日開幕・韓国)に出場する12チームの国と地域の監督が29日、釜山広域市内のホテルで公式記者会見を行った。韓国メディアからは侍ジャパン高校代表・永田裕治監督(55)に対し、日韓の情勢を絡めた質問も飛び出した。チームは同市内のグラウンドで公式練習。渡韓後、初めて汗を流した。
開催国のメディアも日韓関係による大会への影響について注目しているようだ。会見終盤の質疑応答でのシーン。地元スポーツ紙「スポーツソウル」の記者が手を挙げ、メモを読みながら日本語で永田監督へ言葉を投げかけた。
「韓国と日本で最近、政治的な問題がありますけれども、朝食を食べに行ったときなど、韓国に到着して今まで韓国人からおびやかされたり、不安を感じたことがありましたか?」
デリケートな話題に会見場の緊張感がやや高まった。日本の指揮官は「まったくありません」とキッパリと否定。会見終了後に質問した記者を日本の報道陣が囲もうとすると、同僚とみられる男性が腕を引っ張りながら去っていった。
チームに動揺は走っていない。28日の韓国入りこそ両国の情勢に配慮し、ナインやスタッフらは日の丸マークのついていない無地のポロシャツで移動。永田監督はこの日の監督会議には日の丸入りのポロシャツ、公式会見には日の丸入りのユニホームで出席した。
いよいよ30日に戦いの火ぶたが切って落とされる。初戦の相手はスペイン。最速163キロ右腕・佐々木朗希投手(3年)が右手中指にできた血マメの影響でノースロー調整が続く中、永田監督はチームの強みを「一番は結束力」と断言した。20人の力を合わせて初の世界一へ挑む。