西武 マジック逆点灯「9」パCS一番乗り 最大8・5差から大逆転V2見えた
「西武6-5ロッテ」(15日、メットライフドーム)
野球の神様はとんでもない結末を用意していた。西武は延長十一回2死。木村が左中間へ大きな飛球を打ち上げた。中堅荻野と左翼加藤が交錯し、白球が転がった(記録は左失)。木村は一気に三塁を蹴り、ホームベースを駆け抜けた。2試合連続の幸運なサヨナラ勝ちで首位に再浮上。そして優勝マジック「9」が初点灯した。「神風が吹いたね」。辻監督は表情を崩した。
サヨナラ時は午後5時半。「上がりすぎた」と凡退を覚悟した木村だが、全力疾走を怠らなかった。吹き抜けになっている本拠地メットライフドームの構造を心得ていた。「夕方になると外が暗くなってボールが“消える”ことがある。レフトがボールを見失うしぐさをしたのでスピードを上げた。まさかかえってこられるとは…。キャンプのベースランニングを思い出した。神様が味方してくれた」と息を弾ませた。
チームはリーグ一番乗りでのCS進出を決めたが、目標は上にある。残り9試合。辻監督は「タフな試合が続くけど、選手たちは心強い。9試合で(マジック)9でしょ。あってないようなもの。あと9試合必死に戦う」と気を引き締める。最大8・5ゲーム差からの逆転V2への道は、自力で切り開く。