巨人・阿部【引退会見2】坂本勇の成長に「19歳の時はこんな選手になるとは…」しみじみ
巨人・阿部慎之助捕手が25日、都内のホテルで会見に臨み、今季限りで現役を引退することを表明した。ほかの選手への思いを明かす中で、現在チームを主将として引っ張る坂本勇人内野手について「19歳の時はこんな選手になるとは思っていなかった」と、成長ぶりをしみじみと語った。以下、阿部の一問一答の要旨(2)。
-キャリアの終盤は捕手ができないというのもあった。
「そこはすごく自分自身でも悔しかったですし。やると言ってできなかったので、ご迷惑をかけたなと思っています」
-ここまでやってこられた原動力は。
「やっぱり誰よりも野球が好きです。そこが原動力かなと思います」
-好きな野球を続けてきた。偉大な功績を残してきた。誇れる数字、記録はあるか。
「2000本を打たれた方はたくさんいると思う。足が遅いので、一番、内野安打が少ないんじゃないかなという2000本だったので。すごく価値があるんじゃないかなと思います」
-阿部選手にとってファンの存在とは。
「先ほど、野球が好きというのが原動力と言いましたが、それに加えてね、ここ数年代打で出場が多かったですが、その時の声援が身震いするぐらい感動させてもらいましたし。それがあったからこそ『よーし』という気持ちにもなれたし。ありがたいことです」
-捕手への思い入れは。
「キャッチャーだったからこそ、ここまで打てたのではないかと思います」
-どのような理由で。
「配球の勉強だったり。そういうのが身になって、打席でそういうのを考えたりできるようになった結果がこうなったと思います」
-ボールを受けることができるとしたら、誰のボールを受けたいか。
「たくさん受けたい人はいるんですけど。そうだな。今の現時点でのチームメートなら、誰だろうな。たくさん優勝も経験してきたし、日本にも長くいるマシソンかな。いろんな思い入れがあるので。僕が首に激痛走った時もピッチャーはマシソンでしたし。マシソンの剛速球をファウルチップして、それを食らって。そういう運命になったので、そういう意味ではマシソンかな。現時点では。もちろん、沢村(のボール)を捕って、また頭をひっぱたいてあげたいなというのもありますけど(笑)」
-4番の岡本への期待の思いは。
「今年の彼を見ていたら、彼のコメントだったりを聞いていたら自覚はあるんだろうなと思って。去年よりはほとんど何も言ってません。自分が打たないで負けた試合、とかいうのをあの若い年齢で言ってくれたので。それは将来の巨人にとっても心強いんじゃかなと思いました」
-坂本(勇)の成長はどう見えていたか。
「四六時中一緒にいるわけではないので分からないですけど。19歳の時はこんな選手になるとは思っていなかったので。キャプテンになってから苦労しているのを見ていましたし。近年は自分で数字を残して引っ張っていた姿があったので。見ていて苦しんでいるのも分かってましたけど、すごく頼もしく見えました」
-今後、どのように巨人軍に関わっていくか。
「現時点ではまだこれからもっと大事な試合が控えているので。今はそこは考えないようにしています。身近な大事な試合に集中したいので。そこは何か進展があれば、皆さんにお伝えしたいかなと思っています」
-一番、これからの選手に伝えたかったことは。
「とにかく僕らが受け継いできたものを今の選手が次世代の選手に受け継いでいってくれれば、それだけでうれしいですね。そうしてほしいです」
-巨人軍とは。
「常勝軍団と言われますけど、本当にその通りで。常に勝ちを求められ、勝って当たり前と思われていて。その中で勝つという難しさはみんな実感していると思います。そこで勝つ、勝たなければいけないという。現場でプレーしている選手にしか感じられないところがあるので、そこは特別なのかなと」
-ファンに向けてメッセージを。
「19年間、いろんなことがあって、話していたら明日の朝になるぐらい、たくさんのいい思い出、苦しい、つらい思い出はありますけど。それでも球場に足を運んでいただいたり、打てない時でも応援していただいたり。そういうサポートがあったからこそ、19年もできたと思っています。これから本当の戦いが待っていますし、巨人が日本シリーズに出られるように、応援いただければありがたいです」
-坂本(勇)が率いる今のチームをどのように見ているか。
「勇人もチーム状況が悪くなると選手を集めてミーティングしたりとか。というのも自然にできているし。今はキャプテン・坂本勇人の背中を見てやっているんだなと。チームの一員ですけど客観的に見て、そう思えるようになりました」
-坂本(勇)が悩んでいる時にどういう言葉をかけたか。
「とにかく打てない時もとりあえず、お前が下を向いたらみんなが下を向くからとは幾度も言ってましたね」