巨人・沢村 阿部と“ポカリ”で演出の舞台裏「もう一度再現したいね、と打ち合わせ」

 2回、1球も投げずにマウンドに向かい沢村(右)を殴ろうとする阿部(撮影・西岡正)
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 「巨人-DeNA」(27日、東京ドーム)

 巨人・沢村拓一投手が二回に登板し、1イニングを3奪三振と好投した。阿部とのバッテリーは実現しなかったが、投球前には12年の“ポカリ事件”をまねた演出でファンを盛り上げる一幕もあった。

 中大の先輩でもある阿部の引退記念試合。「ありがとう慎之助」と銘打たれた試合で、スタメンマスクをかぶった大先輩とのコンビに注目が集まった。

 二回のイニング間には、ふたりの母校である中大校歌も流された。そして先頭ロペスの初球を投じる前に、沢村が阿部のサインに2度、3度と首を振り、すかさず阿部がマウンドへ。頭をはたこうとした後、すぐに笑顔となり、握手をかわした。

 スタンドはどよめいた後、大歓声。そして、原監督がベンチを出てポジションの変更を告げ、阿部は沢村の球を受けることなく、一塁へポジションを移した。

 阿部とバッテリーを組むことはなかったが、沢村は降板後に球団を通じてコメント。「今でも辞めることが信じられません。大学からお世話になった先輩だし、プロに入ってからも憧れの先輩でした」と振り返った。

 12年の日本シリーズでは、阿部がけん制のサインを見落とした沢村の頭をはたく“ポカリ事件”が話題となった。この日、事件を再現した演出だったが、「甲子園でキャッチボールをしたときに『もう一度再現したいね』と打ち合わせをしていました。たたかれると思ったら、握手され『ありがとう』と言われ泣きそうになりました」と、舞台裏を明かした。

 目指すは12年以来の日本一。右腕は「必ず日本一になりたい」と誓った。

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