「関西学生野球、京大２ー１同大」（１３日、ほっともっと神戸）

　前節勝ち点を挙げた京大が、接戦を制して先勝。これで春夏合わせて、元ロッテの田中英祐を要した１４年に並ぶ同校最多タイの６勝となった。さらに１４日の２回戦に勝てば、００年以来となる勝ち点「２」となる。

　貴重な勝利の立役者は、１２８球を投げ、９回４安打１失点で完投勝利を挙げた原健登投手（３年・彦根東）だ。最速１４１キロの右腕は、丁寧に低めにボールを集めるピッチングで的を絞らせなかった。

　春のリーグ戦では４月に右肘を痛め、そこから８月までノースロー。「その間はウエートとかをしてました」。トレーニングに加え、直球とカットボールを握る際の親指の使い方に工夫を凝らし、肘の負担をなくすように変更。さらに「力の入れ方を変えたりしています」と、長いイニングを投げることを考え、投球の中で強弱を付ける形が吉と出て、この秋３勝目となった。

　先日、ノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏と同じ、京都大学工学部で勉学に励む右腕。リーグ戦３勝は、前出の田中が１４年に記録した勝ち星に並ぶもの。また、チームとしても１４日に勝てば００年以来となる最下位脱出につながる。「（前節の勝ち点などチームの記録が）すごくうれしいです」と笑顔を見せていた。