「日本シリーズ・第３戦、巨人２－６ソフトバンク」（２２日、東京ドーム）

　「ＳＭＢＣ日本シリーズ２０１９」第３戦が２２日、行われ、ソフトバンクが開幕から３連勝。前身の南海、ダイエー時代を含めて３年連続１０度目となる日本一に王手をかけた。ＣＳから采配がさえる工藤公康監督（５６）が、攻撃力重視のためアルフレド・デスパイネ外野手（３３）を、レギュラーシーズンわずか１０試合しか経験のない左翼で起用すると２安打、３打点の大活躍で巨人を撃破。２年連続下克上へ、一気に押し切るバイ！

　３年連続の頂点が、わずか３試合で視界に入ってきた。快勝後の敵地でのお立ち台。普段から慎重に言葉を選ぶ工藤公康監督が「ここまで来たかなというのは、たしかにあります」と力強く言い切った。セ王者の巨人を相手に、破竹の３連勝。球団初となる３年連続日本一に王手をかけた。

　クライマックスシリーズ（ＣＳ）からキレ味を見せ続けている「神采配」が、この日も冴え渡った。

　ＤＨ制が採用されない東京ドームでの第３戦。前日からデスパイネの起用法に大きな注目が集まっていた中、指揮官が選択したのは超攻撃的オーダーだった。４番デスパイネをレギュラーシーズンでわずか１０試合しかなかった左翼、５番グラシアルを右翼で先発起用。「攻めていって、先制点をという思いがあった」。２連勝で優位に立っても、守りに入ることなく攻めた。

　頼れる「キューバコンビ」も応えた。１点を追う二回にグラシアルが同点弾。デスパイネも同点の三回２死一、二塁で勝ち越しタイムリー。四回にもダメ押しの２点適時打だ。

　さらに、同点の四回には高卒ルーキー戸郷を攻め立て、１死満塁とすると１番川島の代打に長谷川勇を起用。「経験豊富な打者。球種を選んで外野まで運んでくれると思っていた」との狙い通り、ベテランがきっちり勝ち越しの左犠飛を放ち、一挙４得点につなげた。

　バンデンハークの後を受けた４人のリリーフ陣も無失点と継投策も完璧だ。

　前身の南海時代に同じ巨人を相手に４連勝を飾った１９５９年以来、球団では２度目の「スイープ日本一」に王手をかけた。「僕らはこの試合が終われば、明日の試合。みんなで全力で戦う」。しっかりとかぶとの緒を締めた工藤監督がきょう、敵地東京ドームで舞う。