原巨人 全敗終戦「かなり高い壁」最後まで打ち崩せず…阿部胴上げで幕
「日本シリーズ・第4戦、巨人3-4ソフトバンク」(23日、東京ドーム)
巨人は7年ぶりの悲願達成はかなわなかった。4連敗は90年西武との対戦以来、29年ぶりの屈辱。敗戦が決まった瞬間、原監督は真っ先にベンチ裏へと下がった。「最後の最後まで粘り強く戦いましたけどね。ソフトバンクの勢いを止めることはできなかった。かなり高い壁に対して、積み上げていかないといけないものがある」と潔く完敗を認めた。
第4戦こそ1点差負けながら、指揮官も投打の力量の差を痛感させられたシリーズだった。六回、主砲の岡本が右越え2ランで反撃。しかし、直後の七回、2つの失策が致命傷となった。1死から福田の三ゴロを岡本が失策。1死一、二塁となり代打・長谷川勇の二ゴロで併殺を狙った山本が二塁へ悪送球。二走・福田の生還を許し、大きな失点につながった。
経験の差がもろに出た。最近5年で4度の日本シリーズ出場と経験豊富なソフトバンクとは対象的に岡本、山本は初出場。平常心で戦う難しさを原監督も理解していた。「非常に意義のある年だったと思います。この悔しさを糧にして、強いチームをつくりたい」。大舞台で勝負強さを発揮できる選手育成へと意気込んだ。
00年の「ONシリーズ」以来のホークスとの対決。長嶋監督のもとでヘッドコーチとして戦った当時のように強い者同士ががっぷり四つに組み、頂上決戦らしい戦いを挑んだ。予告先発を提案したのもそのためだったが、正攻法で完敗だった。「2020年度のジャイアンツは普遍であるというところで、何とか、目標をクリアしたい」。もっと強いチームをつくり、来年こそ日本一の頂に立つ。