「日本シリーズ・第４戦、巨人３－４ソフトバンク」（２３日、東京ドーム）

　今季限りでの現役引退を表明して日本シリーズに臨んだ巨人・阿部が、選手としての最後の試合を終えた。この日は六回から代打で途中出場し、１打数無安打。日本一奪回の夢もかなわなかった。悔しさもある。それでも「最高の仲間、指導者、裏方さんに恵まれて最高の１９年間でした」。すがすがしい表情でこれまでの野球人生を総括した。

　ふさわしい盛大な花道が用意された。試合後には球場全体から「慎之助」コールがわき起こり、巨人の後輩たち、ソフトバンクの関係者からは胴上げで慰労された。自身の背番号と同じく１０度ずつ、計２０度宙に舞った。

　来季からは巨人の２軍監督として後進の指導にあたる。ソフトバンクの王貞治会長と工藤監督からは「これから野球人生は長い。良い指導者になれるように頑張ってくれ」と伝えられ、目を潤ませた。