プロ野球 オフはコーチの“移籍”も活発に 巨人原監督は「ティーの上げ方」にも注目
ソフトバンクは4日、投手コーチとして森山良二氏の就任を発表した。森山氏は今季まで楽天投手コーチを務めていたが、退団したことを受けてソフトバンクが招へいに動いていた。
森山氏は指導者としての経験が豊富。コーチとしては横浜(DeNA)、西武、楽天を経て、ソフトバンクで4球団目となった。
近年は育成選手の活躍でファームの指導体制を見直す球団も増え、今オフも西武が3軍制を導入。こうした流れで、コーチの数も増え、さまざまな球団を渡り歩く指導者も少なくない。昨オフは巨人で宮本和知投手総合コーチが21年ぶり、元木大介ヘッドコーチが14年ぶりに現場復帰したことが話題となったが、多くの球団ではコーチ経験者にオファーする流れがより顕著になっている。
“移籍”の条件は実績だけでなく、柔軟な指導方法やその人柄など。巨人でコーチ経験のあるデイリースポーツ評論家・関本四十四氏は「横のつながりで評判は入ってくるもの。球団としては経験を買うのが一番だし、(指導方法が)前回より悪いということはないだろうと。コーチ経験がある、なしは大きいよ。雇われるコーチ側はキャリアアップしたいという思いもあるだろう」という。
シーズン中から、他球団の練習風景に目を光らせている指導者は少なくない。巨人は今オフ、ヤクルトを退団した石井琢朗氏が野手総合コーチに就任したが、原監督は「ティーの上げ方、指導の仕方がとってもいいと思った。ぜひ、このバッティングの指導をうちの選手に伝えてほしいな、というのがあって、注目していた」という。コーチ陣はOB中心の巨人だが、石井コーチは現役を含めて巨人に在籍経験はない。原監督自身も個人的なつながりはなかったが、ヤクルト退団が決まったことで招へいに動いたという。
選手の成長に欠かせない指導者の存在。オフはFAや外国人選手の獲得に期待が集まるが、指導者の“補強”も注目を集めている。
今オフに旧球団を退団し、新チームでの就任が発表されたコーチは以下の通り。()内は今季の所属球団と役職
▽セ・リーグ
【巨人】石井琢朗野手総合コーチ(前ヤクルト打撃コーチ)、実松一成2軍バッテリーコーチ(前日本ハム2軍育成コーチ兼捕手)
【DeNA】大村巌2軍打撃コーチ(前ロッテ打撃コーチ)
【阪神】北川博敏打撃コーチ(ヤクルト2軍打撃コーチ)
【広島】
【中日】栗原健太打撃コーチ(前楽天2軍打撃コーチ)
【ヤクルト】緒方耕一2軍外野守備走塁コーチ(前日本ハム守備チーフ兼内野守備走塁コーチ)
▽パ・リーグ
【西武】青木勇人3軍投手コーチ(前広島3軍投手コーチ兼強化担当)
【ソフトバンク】森山良二投手コーチ(前楽天1軍投手コーチ)
【楽天】奈良原浩2軍監督(前中日内野守備走塁コーチ)
【ロッテ】
【日本ハム】小笠原道大ヘッド兼打撃コーチ(中日2軍監督)
【オリックス】小谷野栄一2軍打撃コーチ(前楽天打撃コーチ)