名門復活に桑田氏感動 PLが甲子園に帰ってきた「キヨも一緒にプレーできれば」
「マスターズ甲子園、PL学園5-1利根商」(9日、甲子園球場)
あのPL学園が甲子園に帰ってきた。「第16回 マスターズ甲子園」が9日、西宮市内の甲子園球場で開幕し、PL学園OB(大阪府代表)は利根商OB(群馬県)に勝利した。巨人などで活躍して現在はPL学園野球部OB会会長の桑田真澄氏(51)は1回無失点の投球と、右越え二塁打を放つ活躍で貢献。スタンドには人文字が浮かび、懐かしの応援歌も響くなど、休部状態の名門が「復活」した一日となった。
栄光の記憶が自然とよみがえる。スタンドに人文字が浮かび、懐かしい応援歌も響く。“背番号1、エース桑田”の登板でムードはさらに高まった。「自分の好きな番号でいいということだったので1番を希望しました」。秋晴れの甲子園にPL学園が帰ってきた。
「昨夜からワクワクした気持ちで、うれしくてね、眠れなかった、そんな感じでしたけど、今日も投げて守って走ってと甲子園球場で全力でプレーできてうれしかったです」
タイムスリップしたような甲子園に四回から登場。「五十肩があって体は思うように動かないですが高校生の気持ちで投げてました」。苦笑いで振り返ったが、現役時代を思い起こさせるフォームで、三振こそなかったが1回2安打無失点。最速126キロも記録して拍手喝采だ。その後は遊撃に入り、五回は右越え二塁打を放ち4点目のホームを踏んだ。
名門の「復活」に郷愁の思いが重なり合う。三塁側には同校OBら約1400人の応援団が集まり「We(ハートマーク)PL!!」などの人文字に加え、ブラスバンドの演奏ではPLオリジナルの応援歌「ウイニング」も奏でられた。桑田氏も「感動しますね。僕も高校時代、アルプス席からたくさん応援していただいたので」と声をはずませた。試合も1点を先制されながら、5-1の逆転勝利。甲子園で数々の奇跡を起こした“逆転のPL”は健在だった。
PL学園は今大会が初参加。阪神・福留や、前阪神ヘッド兼打撃コーチの片岡氏も激励に駆けつけた。PLの仲間と戦えた最高の時間。来年の参加は未決定だが、これで終わりにしたくない。
「一人でも多くのOBに参加してもらいたいと思います。(清原氏について問われ)いずれまたキヨも一緒にプレーできる時がくれば僕もうれしいですし、ファンの方もうれしいのでは」と桑田氏。休部状態であっても、甲子園に今も息づくPLの伝統を感じさせる一日となった。