明徳義塾 星稜を返り討ち!“松井5敬遠”以来27年ぶり因縁対決制す
「明治神宮野球大会・高校の部1回戦、明徳義塾8-5星稜」(15日、神宮球場)
開幕し、高校の部2試合、大学の部1試合が行われた。明徳義塾は星稜との因縁対決を制した。“松井の5敬遠”で物議をかもした92年夏の甲子園以来となる公式戦。当時も指揮した馬淵史郎監督(63)が熟練の采配で雪辱を許さなかった。高崎健康福祉大高崎は延長十回タイブレークを制し、大会初勝利。大学の部(記事は2面)は東海大札幌が3年ぶりの初戦突破を決めた。
3-2のロースコアを制した27年前とは違った試合展開で“返り討ち”だ。馬淵監督は「林君を見ていました。お互い、いい試合をしようと思っていたので」と普段通り相手ベンチを観察。「一指揮官として、きょうのゲームをどうやって戦い抜くか」と勝負に徹した。
従来のバント攻撃に頼り過ぎない攻めで、好敵手を沈めた。1点を先制された直後の四回だ。先頭が二塁内野安打で出塁すると、次打者にも強攻策。無死一、二塁とチャンスを広げ、相手のミスにもつけ込んで一挙4得点と逆転に成功した。
続く五回1死一、三塁では鈴木大照捕手(2年)の、左翼への3ランで突き放した。「甲子園で勝つためにはビッグイニングを作らないと」と指揮官の采配がここでも的中。勝負どころで小技を“封印”する新スタイルに手応えをつかんだ。
星稜との再戦に注目が集まる中、ナインには気負わせることはなかった。「『昔のことは関係ないから気にするな』と言われました」と主将の鈴木。名将は「選手たちをどうやって鼓舞するか」と試合自体に集中させた。
九回に1点を返されても動じない。伝令を送り、一呼吸置かせて逃げ切った。「楽しかったですよ。8-7ぐらいで終わったら、もっと面白かったのに」。最後は“馬淵節”で締めくくった。