巨人・山口俊投手が１８日、都内ホテルで会見を開き、ポスティングシステムを利用して大リーグ移籍を目指すことを正式に表明した。会見には原辰徳監督や今村司社長も同席し、球団として史上初めて制度利用を容認することになった。

　山口はメジャー移籍の願望となったきっかけについては、映画だったという。「ふざけているかと思われるかもしれませんが、とんねるずの石橋さんのメジャーリーグ。それを見て、こういう世界もあるんだなというところから大リーグをリアルに見始めた」と説明。横浜（ＤｅＮＡ）に入団した際についても振り返り、「ドラフトでとってもらった時から野球でチャレンジしたいなと思い描いた」と語った。

　山口はＦＡで１７年から巨人に加入。今季は先発の柱として１５勝で最多勝を獲得するなど、リーグ優勝に貢献した。会見の冒頭では、山口は「このたび、私の夢でありましたアメリカ大リーグに挑戦させていただくことになりました。読売ジャイアンツ、原監督、コーチの方々、チームメート、ファンの方々にこの３年間感謝申し上げます。新たな挑戦に向かって精進して参ります」と表明した。

　巨人はこれまでポスティングシステムの利用を「球団の権利」として一切認めてこなかったが、今村社長は山口がＦＡで巨人に入団する際、交渉の席で時期を確定しない形でポスティング制度を利用できる形を認めたと説明。「慰留に努め、何度か話し合ったが、夢を実現しよう、応援しようという結論にいたった」とした。

　同席した原監督は「門出を祝すということで会見に来ました」と笑顔。経緯については「シーズン中、契約上こういうことがあると知った。戦力としては当然欠かせない。だが夢、挑戦、これには立ち入ることができない」と、背中を押した。