関大47年ぶり決勝 坂之下決めた!延長十回タイブレークV打
「明治神宮野球大会・大学の部準決勝、関大8-7東海大」(19日、神宮球場)
大学の部2試合が行われ、関大と慶大が決勝進出を決めた。関大はタイブレークに突入した延長十回、坂之下晴人内野手(2年・大阪桐蔭)が決勝打。1972年以来、47年ぶりの優勝に王手をかけた。慶大は5人の継投策で快勝。20日の決勝で19年ぶり4度目の頂点を目指す。
仲間がいるベンチに向かって、大きく拳を突き上げた。「何とか1点取りたかったのでよかったです」。8番・二塁でスタメン出場した坂之下が、思いを乗せた一打でチームを47年ぶりの決勝に導いた。
気の抜けない展開が続いた。初回に3点を先制したが、追い付かれて追い越され、七回に逆転したものの、再び追い付かれてタイブレークに突入した延長十回表。何としても点を取りたい場面で、前打者が空振り三振に倒れたが、1死一、二塁で打席に立った坂之下は冷静だった。
「初球から狙ってはいたんですが、追い込まれてしまって。前の打席で詰まらされていたので、次も内のボールで来るかなと思った」。相手バッテリーの考えを読み、苦手のインコースに狙いを定めた5球目。読み通りに来た内角球を左翼線にはじき返し、決勝点をたたき出した。
強豪・大阪桐蔭から進学したが、下級生からスタメンを任される重圧は大きかった。「自分の仕事は守備と声だと思っていても、打てないから自信が持てなくて…」。この日の一打は、チームにとっても自分にとっても、意味のあるものになった。
決勝戦に楽しみが待つ。相手の慶大には、大阪桐蔭で共にプレーした福井章吾内野手(2年)が在籍する。今大会前にはOB数人で集まり、士気を高め合った。日本一になった高校3年時以来の大舞台でしのぎを削る。