ヤクルト村上 セ新人王「ここがスタートライン」阪神・近本に“打ち勝った”36発
「NPB AWARDS 2019」(26日、グランドプリンスホテル新高輪)
最優秀新人(新人王)にセからヤクルト・村上宗隆内野手(19)、パからソフトバンク・高橋礼投手(24)が選ばれた。
喜びに増して、新人王の重みを実感していた。「来年に向けて、身が引き締まる思いと素直にうれしい気持ちが重なっています」。村上は19歳らしく、ストレートに胸の内を明かした。
全143試合に出場して36本塁打、96打点。例年なら当確の成績のはずが、阪神・近本との激しい争いとなった。一生に一度の栄誉。シーズン最終盤には、タイトルの行方を気にした時もあった。それでも、全日程終了後は「やることはやったので。あとは待つしかないかな」と心は切り替わっていた。得票数168は、近本に39票差。誰もがほれぼれするアーチの魅力で、ライバルに勝った。
高卒2年目シーズンとしては、本塁打、打点で偉大な先人の数字を次々と上回った。高卒野手の新人王は、セ・リーグでは88年の中日・立浪以来31年ぶり。球団では初の快挙だ。20本塁打以上の受賞者も、31本を放った86年の西武・清原以来だった。
ただ、満足はない。「143試合、ケガなく出られたということは一番自信になる。成績に関しては、ここが僕のスタートラインかなと思っている」。そう力強く言い切り、来季の目標には「数字は決めていない。打てるだけ打ちたい。リーグ優勝、日本一が最大の目標」と掲げた。末恐ろしい若き大砲。まだまだ進化を遂げていく。