イチロー氏 二塁打許し悔しがる 初安打は“一塁強襲三塁打”
今年3月に現役を引退したイチロー氏(46)=マリナーズ会長特別補佐兼インストラクター=が1日、友人らと結成した草野球チーム「KOBE CHIBEN」の「4番・エース」として、神戸市のほっともっとフィールド神戸に登場。智弁和歌山の中高の教職員チームを相手に念願の草野球デビューを果たした。
晴天の日曜日。背番号「1」がつけられた白地のユニホームを着たイチロー氏がかつての本拠地で躍動した。
二回まで相手を0封してきたエースが三回、初安打を許した。7番打者に2ボール1ストライクから投じた4球目をとらえられ、右中間への二塁打とされた。
イチロー氏は後ろを振り返ると腰に手を当て、悔しそうに打球の行方を追った。もっとも、三塁まで走者を進めたが後続はきっちりと断った。
そのお返しとばかりに、四回には初めて「H」ランプを点灯させた。先頭打者で2度目の打席に入り、カウント3ボール2ストライクから打球を一塁方向へ転がした。一塁手を強襲した打球が転々とする間に、悠々と三塁を陥れた。その後、守備が乱れる間にホームにも生還した。
打席では現役時代をほうふつとさせるルーティンを披露。バットを軽く振り、屈伸。足で打席をならして、バットを投手方向に向ける侍ポーズも披露して内野席を埋めた智弁和歌山応援団らから喝采を浴びた。
球場は両チームの関係者のみに解放されたが、内野席は満席。バックネット裏には智弁和歌山の吹奏楽部、応援団のOBが大集結。智弁の赤、イチロー氏のチームの青に分かれ豪華な応援パフォーマンスで草野球を盛り上げた。
イチローは3月の引退会見で「また、楽しい野球がやりたい」と草野球への思いを吐露。昨秋、智弁和歌山の試合を観戦したイチロー氏が、熱い野球応援に感動したことから交流がスタート。同校に敬意を表したチーム名をつけた草野球チームを結成。初陣の相手として試合を申し込んでいた。