巨人の阿部慎之助２軍監督（４０）が１９日、都内で行われた「２０１９　ヤナセ・プロ野球ＭＶＰ賞」の受賞式に出席。若手育成のため、よりよい指導法を模索し、日々貪欲に学ぶ“新”生活の一端をのぞかせた。

　選手から監督へ－。視点が変わると新たな発見がある。前日は、テレビ出演していたバイオリニスト・高嶋ちさ子さんの姿が目に飛び込んできた。番組では、高嶋さんがプロデュースするバイオリニスト１２人による全国ツアーに密着。その中で「指導者として勉強になった」と思わずペンを走らせた部分があった。

　メモには「緊張感のない試合（演奏会）にお客さんは喜ばない。メンバーの個性を生かして、お客さんが喜ぶことがすべて。恐怖のメンバー入れ替え」と記入。１２人の定員は既存メンバーだけでなく、毎年新人を募集して競争させることで危機感を持たせる。他分野だがプロとして求める厳しさは、野球にも通じるところだ。

　一方、「ゆとり世代」が大半を占めるファームの若手選手に、厳しさ一辺倒の接し方は逆効果。「ディスカッション。酒を飲んでいてもいいからそういうのが必要」。首脳陣と選手、さらに選手間でも率直な意見交換を行い、相手を理解した上でともに成長する。時代に即し、剛柔併せた“ハイブリッド指導法”を作り上げる。