【医師の見解】元広島・山本浩二氏の壮絶ながん闘病 7度の手術「常人なら耐えられない」
元広島監督で病気療養中だった野球評論家の山本浩二氏(73)が7日、巨人の宮崎キャンプを訪問。「ぼうこうがん」と「肺がん」を患っていたことを明かした。
昨年4月、公の場から姿を消していた山本氏は「2つのがんにかかりまして、4回手術を」とそれぞれ2回ずつ手術したことを告白。続けて「別々で転移はしていなかったみたいです。4度の手術っていうのは珍しいらしくて、体力がないとできない」と振り返った。肺がんはステージが「2か3」だったとしたが、「ただ進行が早いんですぐやらなきゃいかん」と、判明後すぐに手術したという。
手術は胆のうや気管支など「細かいのがいろいろあった」とし、1年間で7度も手術したという。痩せた様子だったが笑顔もみせ、「おかげさんでこうして元気で」とうなずいた。
山本氏を襲ったぼうこうがんや肺がん、そして1年間で7度の手術という壮絶な闘病生活について、兵庫県芦屋市にある「松本クリニック」の松本浩彦院長に聞いた。
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「ぼうこうがんの手術は表層型と浸潤型に分かれます。浸潤型は全摘する必要があり、キャスターの小倉智昭さんはこのタイプです。2度の手術をしたというのであれば、山本さんは表層型なのではないでしょうか。
表層型はカメラを入れてがんを取るんですが、手術後は三カ月に1度くらいで検査をします。ただ、全部取っても繰り返し(がんが)出てくるのが特徴です。いわゆるモグラたたきのようで、出てきたら表層を削るということになります。表層型は、一生付き合わなければいけないと言えるでしょう。
肺がんは膵臓がんに次いで怖いがん。2回手術したというのであれば一度目で取り切れなかったか、大きすぎて2度に分けたか、再発したか、ということが考えられます。
他にも手術をしたということですが、がんの手術によりもろくなって気管支に穴が空くということは非常に考えられるケースではあります。
いずれにしろ、7度の手術は体力がある山本浩二さんだからできたことではないでしょうか。野球殿堂入りをするような功績を残した方で、鍛え方が違う。70歳をこえているとはいえ、基礎体力がある。常人なら、2回の肺の手術は耐えられない。人並み外れた頑健な体があるからこそでしょう」