楽天・カツノリ氏 ノムさんは父、監督として「偉大な存在」急死にショック、涙
南海、ヤクルト、阪神、楽天で監督を務めた野村克也氏が11日午前3時半、都内の病院で虚血性心不全のため死去した。84歳。テスト生で南海に入団し、65年に戦後初の三冠王を獲得するなど、数々のタイトルを獲得。現役引退後は「ID野球」を掲げ、ヤクルト監督時代に4度のリーグ優勝、3度の日本一を飾り、「ノムさん」の愛称で親しまれた知将が、静かに息を引き取った。葬儀は密葬で営まれ、後日、お別れの会が開かれる予定。
野村克也氏の息子で楽天の1軍作戦コーチを務める野村克則氏(46)は、東京・世田谷区内で報道陣に応対。突然すぎる父の死去を涙ながらに語った。
11日の午前2時過ぎに連絡を受け、キャンプ地の沖縄から帰った。息を引き取り、静かに眠る父の顔を見ると、悲しみがこみ上げた。「急すぎて実感もなく、受け入れられない。今は本当に実感がない。柔らかい表情でした」と声を絞り出した。
キャンプ出発前には、元気な姿で激励されたという。今季から1軍のコーチを務めることになり「厳しい戦いになるな、頑張れ」と声を掛けられたのが最後の言葉となった。「キャンプに行く前には元気な姿だったのですが」とショックを隠せなかった。
現役中は、監督である父の下でのプレーも経験した。“野球は心なんだよ”“自分の評価は自分でするんだ”と教えられたことが心に響いている。「一言で言えば偉大な存在で、その息子であったことは本当に誇りに思います。全てが自分にとって財産」と父・克也氏に感謝した。
17年12月に死去した母の沙知代さんと同じ虚血性心不全で死去。天国へ旅立った両親への感謝の思いを口にする。「自分にとってはごくごく普通の母親、父親で僕が言うのもなんですけど、いい夫婦というか、これ以上ないコンビなんじゃないかなと思います。今は2人でいるんじゃないかなと思います」としみじみと語った。