「ヤクルト２軍春季キャンプ」（１１日、西都）

　南海、ヤクルト、阪神、楽天で監督を務めた野村克也氏が１１日午前３時半、都内の病院で虚血性心不全のため死去した。８４歳。テスト生で南海に入団し、６５年に戦後初の三冠王を獲得するなど、数々のタイトルを獲得。現役引退後は「ＩＤ野球」を掲げ、ヤクルト監督時代に４度のリーグ優勝、３度の日本一を飾り、「ノムさん」の愛称で親しまれた知将が、静かに息を引き取った。葬儀は密葬で営まれ、後日、お別れの会が開かれる予定。

　宮崎県西都市でキャンプ中の池山隆寛２軍監督（５４）はウオームアップ中に野村氏の訃報を聞いたと言い「それにしても…、ああ、こんな日が来るなんて…。ちょっと信じられません」と絶句した。

　野村ヤクルト黄金時代のスターにとって、現役時代からキャンプを行っていた西都市は思い出の場所だ。「野村さんはここの温泉が好きだったなあ、地獄の階段上りをやらせてたよなあ、と。数日前、僕もその温泉に入り、９日には階段上りを選手と一緒にやったばかり」と言う。

　そこで接した訃報。ちょうどこの日、古田敦也氏が西都キャンプを来訪、当時の思い出を語り合ったと言い「この日、この場所を野村さんが選んでくれたのかなあ、と勝手に思っているところです」と池山２軍監督。「野球を言葉で表現できる唯一の方でした。“ノムラの考え”を高津監督とともに引き継いで、オフにいい報告ができるようにしたいです。ご冥福をお祈りいたします」と締めくくった。