八田会長「無観客で突き進むということではない」高野連一問一答
日本高野連は4日、大阪市内で、第92回選抜高校野球大会(19日開幕・甲子園)の運営委員会と臨時理事会を開き、新型コロナウイルスの感染拡大の現状を踏まえた上で、無観客での開催を準備すると発表した。今後、状況の変化を見極めながら11日に臨時運営委員会を開催し、最終判断を下す。会見での主な一問一答は以下の通り。
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-今回の判断について。
毎日新聞・丸山昌宏社長(大会会長)「何とか開催する道はないかを探って。生徒の安全をどうすれば確保できるか。なるべく接触できる機会を減らすということを考えて、抽選会を止める、リスクのある物をなるべく削って、無観客の形であるなら開催できるのではないかと。この後も足りないところはないか、さらに点検して万全を期したいと思います」
-生徒には早い段階での結論も必要となる中、11日に決定する理由は。
丸山社長「さらに後に延ばす方法もあった。ただ、出場校はいつから甲子園に行けばいいのかなど、そういったことを早く決めなければ学校や生徒が混乱する。我々としては無観客ということを早くお伝えしたほうがいいと。政府がこの1、2週間が正念場と抑えこもうとしている中、我々だけでは完全に読みきれません。11日に決めた後も、場合によってはまた新たに決定をしなければいけないかもしれない。まず通常の開催はできませんというお話を」
-中止の選択肢は。
日本高野連・八田英二会長「1つの方法として中止ということもあったかもしれない。ただ、夢の実現を大人として最大限にやってやろうと。感染予防対策を99%して夢の実現の手助けをしてあげたい。(最終的に)中止に至るかもしれない。だけど、それまでに何とかやらせてあげたい思いを込めています」
(話題は開催時の対応策に)
八田会長「(宿舎での食事は)ビュッフェスタイルはだめ。我々としては選手に感染することのないように宿舎、甲子園球場への移動時もリスクを減らして。限りなくリスクを減らして。宿舎から甲子園に来るバス、私たちがバスを手配して完全に消毒できるとなったり。マスクの着用。マスクの準備はしている。感染症の専門家にも助言をお願いしたい。11日に判断していただいて。18日の12時手前まで努力したい。最も簡単なのは開催中止」
-Jリーグ、プロ野球の話し合いに参加する。例えば20日開幕のプロ野球が延期や中止となった場合、影響は出るのか。
丸山社長「11日に結論を出したといっても、(状況に応じて)また新たに検討していかなきゃいけないと思っています」
-出場校の練習に関して、公立と私立の格差が出ているのではという意見も。
八田会長「こういう方向でいくということは各出場校にお知らせしています。教育委員会や校長の結論は重視させていただきたいと思います。それぞれ、どういう対応されているかは内々には聞いていますが、これからの結論は教育委員会とお話になるので」
-11日の理由は。安倍首相からスポーツイベント自粛要請が出ている中で開催しようとする考えは。
八田会長「大規模イベントの自粛期間が11日。それに合わせたのがひとつ。もうひとつは、文部科学大臣は臨時休校の中でも、『各地の実情に合わせて』と。この1週間、何とか感染予防していこうと、それでダメなら中止。その工夫ができるのなら、もう一歩進んで。このまま無観客で突き進むということではありません。それまでに、球児や関係者の健康に配慮できなければ中止も。それまでは模索を続けたい」
-大会日程変更や縮小のアイディアはあったか。
丸山社長「甲子園という場所が決められていて、プロ野球との併用で、概ね春休みに開催しているので現実的には難しい。縮小は考えないわけではなかったですが、無観客にしても、なるべく本来の大会に近いものにしたい」