プロ野球開幕延期で前例なき対策検討へ 「最悪」五輪中も実施
日本野球機構(NPB)は9日、都内で臨時の12球団代表者会議を開き、20日予定のセ・パ両リーグの開幕を延期することを決定した。開幕延期は東日本大震災が起きた2011年以来、9年ぶり。午前中に開かれた「第2回新型コロナウイルス対策連絡会議」で、専門家チームから「延期が望ましい」という見解を受けて協議。斉藤惇コミッショナー(80)は「遅くとも4月中の開幕を目指す」とし、最悪の場合には五輪期間中の公式戦実施の可能性を示した。
斉藤コミッショナーは五輪期間中の公式戦実施について「最悪の場合はないことはない。相当最悪の場合ですが」とした。中断期間は7月21日~8月13日の23日間。日程を再編する上では、これ以上ない“空白期間”となる。だが、五輪出場選手の多寡により各球団間で戦力不均衡が起きることなどから「相当最悪」の一手となる。
この決断に行き着かないために、同コミッショナーの「延ばすところは延ばし、カットするところはカットする」との言葉通りに、さまざまな対処を尽くす必要がある。検討されるのはクライマックスシリーズ(CS)の中止や日本シリーズなどの日程の後ろ倒し。そしてダブルヘッダーや、球宴の短縮や中止も視野に入りそうだ。
仮に開幕が1カ月遅れた場合、現実的に考えられるのはCSを中止したうえで、日本シリーズを後ろ倒しにすることだろう。今年は11月に侍ジャパンの試合がない。7日予定のシリーズ開幕を2週間遅らせ、さらにCS中止となれば、レギュラーシーズン最終戦から1カ月近い空白が生まれる。どの選択をしても、課題は残る。ただ、五輪中という“聖域”を守るために、前例のない対策が検討されそうだ。