プロ野球開幕延期 全試合消化のリミットは4月中旬か
日本野球機構(NPB)は9日、都内で臨時の12球団代表者会議を開き、20日予定のセ・パ両リーグの開幕を延期することを決定した。開幕延期は東日本大震災が起きた2011年以来、9年ぶり。午前中に開かれた「第2回新型コロナウイルス対策連絡会議」で、専門家チームから「延期が望ましい」という見解を受けて協議。斉藤惇コミッショナー(80)は「遅くとも4月中の開幕を目指す」とし、最悪の場合には五輪期間中の公式戦実施の可能性を示した。
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斉藤コミッショナーは「遅くとも4月中に開幕できることを目指している」と表明したことについて「あくまでも希望」とした。新たな開幕のメドを示せないところに、先が見通せない苦しさがうかがえた。
午前中の会議後の会見。専門家チームの1人からは「インフルエンザのような、暖かくなれば消えていくような感染症では恐らくありません」という発言があった。その言葉通り、終息の気配が見えなければ、延期の延期という可能性は十分に考えられる。
その場合、5月以降の開幕という選択をするのか、もしくは開幕に踏み切るのか、その場合どういう形を取るのか。ある球団幹部は「相手は目に見えないウイルス。言い出したらキリがない」と苦しい胸中を口にした。
開幕を延期しても143試合を維持するという前提は変わっていない。ただ、どの結論を下すにせよ、相応の根拠が必要になる。全試合を消化するためのリミットは4月中旬とみられる。今後はより重い決断を迫られることになる。(デイリースポーツNPB担当・野畑圭司)