日本高野連は１１日、大阪市内で、１９日に甲子園で開幕予定だった第９２回選抜高校野球大会の臨時運営委員会を開催し、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて中止を決定した。

　６年ぶり２度目の出場予定だった広島新庄ナインは北広島町の同校グラウンドで迫田守昭監督（７４）から中止を告げられ、落胆の色を隠せなかった。指揮官は「甲子園に向けてやってきた練習は決してムダにならない。悔しい気持ちを糧にして、さらに成長し、飛躍できるチームであってほしい」と励ましの言葉をかけた。

　学校は４日から休校となったが、選手はセンバツへ向けて毎日、練習を続けてきた。この日も午後１時半から約４時間、打撃や守備練習で汗を流した。全部員６０人が暮らす寮では１日２回の検温とうがい手洗いを徹底。保護者の訪問も制限し、万全の状態でセンバツに臨めるように全力を尽くしてきたが、願いはかなわなかった。

　だが、迫田監督はこの間の選手の取り組みを高く評価する。「練習時間も短く、制約の多い中で選手は著しく成長している。それが唯一の救い。次のステップが力強いものになってくれると確信している」と語った。

　下志音主将（２年）も「中止は残念だが、自分たちが見据えているのは最後の夏。今まで練習してきたことを夏につなげたい」と前を向いた。