ロッテ・ドラ1朗希 天国の家族に「活躍見せたい」父、祖父母を失った震災から9年

 ロッテのドラフト1位・佐々木朗希投手(18)=大船渡=が東日本大震災から9年を迎えた11日、ZOZOマリンスタジアムで取材に応じ、現在の心境を語った。当時9歳だった右腕は津波を経験し、父・功太さん(享年37)、祖父母を失った。悲痛な思いを語り、プロで活躍して天国の家族に報告することを誓った。

 佐々木朗は一点をじっと見つめ、言葉を選びながら心情を語った。「いろんなことを学びました。たくさんのものを失って、改めて気づいたことがたくさんある」。家族を奪った東日本大震災から9年。今でも忘れることのできない悲しい記憶が、脳裏に刻まれている。

 当時は小学3年生だった。岩手県陸前高田市出身。小学校で震災による津波に襲われ、高台に避難する経験をした。自宅は津波で流され、父・功太さんと祖父母が亡くなった。避難所の老人ホームで生活し、その後、小学4年生時に母方の親族がいる大船渡市に引っ越した。

 父、祖父母、自宅。震災で多くのものを失った。9歳の少年にとっては、あまりにも残酷な現実だった。「今あるものが一瞬でなくなってしまう。そういった人たちの分も、一生懸命生きていかないといけないと思います」。後悔のないように必死に生きていくと固く決意した。

 人生の中でつらく、悲しかった出来事。あれから9年がたち、心は成長した。「今あることが当たり前じゃないと思った。今という時間を、昔よりも大切にするようになったかなと思います」としみじみと語った。

 地元を襲った悪夢を風化させたくない思いは強い。「今、こうやってプロ野球選手として初めて迎えた日。立場が変わって、これからいろいろ発信していかなければいけない」との覚悟を示した。

 1軍帯同中の最速163キロ右腕。10日にZOZOマリンのブルペンで捕手を座らせた投球練習をし、調整は順調に進んでいる。「活躍してるところを見せたいです」。豪腕を披露し、プロのマウンドで躍動する姿を天国の家族に届ける。

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