馬場以来2メートル日本人選手誕生へ 早大・今西、アピール2回0封
「オープン戦、早大2-0横浜商大」(26日、早大グラウンド)
巨人・馬場正平(ジャイアント馬場)以来となる身長2メートルのNPB日本人選手誕生へ、期待が膨らむ。今秋ドラフト候補で早大の200センチ左腕・今西拓弥投手(3年・広陵)が26日、東京・西東京市での横浜商大戦で2回無失点2奪三振。目標のプロ入りへ、阪神など5球団の前でアピールに成功した。
スラッとした体形ながら、マウンド上での存在感は抜群だ。今西は2点リードの七回から3番手でマウンドに上がった。この回、投げ込んだのはオール直球。「真っすぐ主体で押していく」とテーマ通りに長い腕からテンポよく投げ込んだ。
許した走者は八回1死から与えた死球の1人のみに封じた。自己最速にあと2キロまで迫る145キロも計測。「自分の中ではそんなに出ていたのかというのはあった」と力んでしまう悪癖を修正した効果に驚きつつ、確かな手応えをつかんだ。
バックネット裏のスカウト陣も今西の投球を食い入るように見つめた。ヤクルト・山本スカウトは「これからまだまだ伸びしろがある。楽しみ」と評価。東京六大学リーグ通算6勝と実績は乏しい中で“未完の大器”として注目を浴びる。
昨秋までは「自分の甘さ」と、練習に打ち込み切れない部分もあった。目を覚ましてくれたのは、同期で主将兼エース・早川隆久投手(3年・木更津総合)の言葉。「年始ぐらいに『ちゃんとやってくれ』と言われて」。生活態度から見つめ直し、ランメニューでは先頭で引っ張るようになった。
今春リーグ戦での結果次第としたうえで、「小さいころからの夢でもあるので挑戦していきたい」とプロ入りを目標に掲げる。1936年から始まったプロ野球の歴史を振り返っても、身長2メートル以上の日本人選手は209センチの巨人・馬場のみ。史上2人目となる存在へ、今西が名乗りを上げてみせる。