済美・中矢監督 葛藤抱えながら…状況改善を信じ前を向く
新型コロナウイルスの影響により、東京五輪は1年間延期、春の選抜高校野球をはじめとする、各競技の大会が次々と中止されている。四国でも臨時休校は続き、多くの学校で部活動は自粛、中止に。誰も経験したことのない状況が続く中、新3年生にとって最後となる夏へ、どのように向かうのか。甲子園出場経験もある高校野球指導者に聞いた。(4月4日取材)
「正直、練習をやっていていいのかな、という思いです」と、複雑な心境を語ったのは済美・中矢太監督(45)だ。
2月末から部活が中止となった際には、密集を避けるためミーティングを行えず、自宅での自主練習に関して部員たちに十分な指示をすることができなかったという。練習再開は3月23日。3月中は午前中のみの練習とし、体をならすためと練習時間短縮のため、内容を普段の7割程度に抑えた。4月になれば、と希望的観測もあったが、状況が上向く気配はなく、葛藤を抱えながらの活動となっている。
春の県大会が中止され、予定していた対外試合もほとんどが白紙の状態。しかし条件はどこもほぼ同じだ。「目先の勝利にとらわれずじっくりできるし、参ったなーという感じはない」。状況さえ落ち着けば、夏へ向けて短期合宿などを行うプランもあるという。
先の見えない不安な日々の中で、部員たちの表情に救われている。「ようやくみんなで練習できるということで、生き生きしていますね」。愛媛県内での感染拡大を受け済美は14日から5月6日まで臨時休校を決定。部活動も再び活動停止となったが、状況改善を信じ、前を向き続ける。