プロ野球5月開幕断念 交流戦16年目で初の中止 斉藤コミッショナー「重たい決断」
日本野球機構(NPB)は17日、オンラインで臨時の12球団代表者会議を開き、5月中の開幕断念と交流戦の中止を発表した。2005年に始まった交流戦の中止は、16年目にして初めて。会議後に会見に臨んだ斉藤惇コミッショナー(80)は「非常に重たい決断」とし「多くのファンの方々には大変申し訳なく思う」と沈痛な面持ちで話した。開幕は少なくとも2カ月以上遅れ、試合数削減を含めた大幅な日程再編を迫られることになった。
政府が緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大する決定を下した翌日、コロナ禍の出口が見えない状況の下で、プロ野球界も大きな決定を下した。開催16年目にして初めてとなる交流戦の中止。「非常に重たい決断」と表現した斉藤コミッショナーは「多くのファンの方々には大変申し訳なく思う」と言葉を紡いだ。
交流戦は5月26日から計108試合を予定していた。ただ、国内を取り巻く状況は好転の気配を見せず、5月中の開幕を断念。さらに「12球団の意見を拝聴して、やむを得ず」と交流戦の開催も見送ることになった。この決定により、全球団で交流戦終了までの全試合のチケットを払い戻すことも決まった。
最短でも開幕は6月となり、当初から2カ月強ずれ込むことになった。5月末までに予定されていた各球団の試合数は約60試合。「レギュラーシーズンの試合数もある程度、削減せざるを得ない」と斉藤コミッショナー。現時点で11月中に日本シリーズを終える想定に変更はなく、延期発表前の五輪期間中に試合を組み込んでも、数十試合単位での削減が予想される。
開幕日の決定時期は4月下旬から5月上旬という方針は変わっていない。まずは23日に開かれる12球団代表者会議で議論される。6月上旬に開幕できる場合、当初の交流戦開催期間にはリーグ戦が組み込まれる。ただ、ある球団幹部は「交流戦終了前の開幕はない?」と問われ「常識的に考えれば…」と話しており、当初の交流戦明け初戦だった6月19日開幕も候補の一つとなりそうだ。
クライマックスシリーズ(CS)や球宴については「状況を見ながらだが、できたらと思う」と同コミッショナー。この日は議論されなかったが、今後の情勢次第では大きな検討課題の一つとなる。球史に残る超変則的日程となるシーズンだが、その全体像が見えるのは、まだ先だ。