オリックス【きょうは何の日】96年、イチロー13タコでも無敗の近鉄・高村討ち
「オリックス6-2近鉄」(1996年4月27日、グリーンスタジアム神戸)
3位のオリックスが本拠地神戸で迎えた首位・近鉄との3連戦の初戦。スタンドには3万1000人が集まった。
試合前には仰木彬監督が近鉄・佐々木恭介監督と談笑。
「頼むから一つは勝たせてくれんか」
仰木マジックは始まっていた!?。相手先発は開幕4連勝の高村祐。絶好調右腕に初回から青波打線が襲いかかる。2死から3番・田口壮が中前打、相手センター内匠政博の体勢が崩れたのを見るとすかさず二塁を陥れた。この好機に4番・トロイ・ニールが適時打で先制すると藤井康雄、D・Jも続き4連打で2得点。
二回には2死二、三塁から福良淳一の右前適時打で2点を追加した。
五回には近鉄タフィ・ローズに2ランを浴びるが、その裏にはD・J、中嶋聡の適時二塁打で2点を追加し、突き放した。
投げては先発の小林宏が6回2失点の好投のあと、野村貴仁、平井正史、鈴木平のパーフェクトリレーで勝利。小林は3勝目、近鉄と1ゲーム差に迫った。
果敢な走塁に鉄壁の守り、のちの快進撃を予感させる試合だったが、当時のデイリー紙面には『イチロー13タコ』の見出しが躍る。この試合が終わった時点で打率・299。「力がないということでしょう」と本人。
打てないことがニュースになるイチロー。逆に安打製造機のスゴさを物語っていた。