どうなるプロ野球?すでに交流戦中止 トレード、戦力外、FAなど課題山積み

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、開幕日が白紙となっているプロ野球。すでに交流戦の中止が発表されるなど、その影響は公式戦の試合数削減にまで及んでいる。ただ、抱える課題は日程だけにはとどまらない。開幕が遅れることに伴うルールを含めた運用改定など、多くの調整の必要性に迫られている。

 開幕日が白紙になっている中、現段階で決まっていることは交流戦の中止。各球団18試合ずつ計108試合を削減し、現時点では当初の143試合から交流戦を差し引いた公式戦125試合が前提だ。日本シリーズまでのシーズン全日程を11月いっぱいで終わらせる形を想定している。

 最短でも開幕は6月。当初より2カ月以上遅れる。ある球団幹部が「試合開始時期が遅れるほど難しくなってくる」と話すように、日程策定以外にさまざまなルール上の課題が浮上してくる。

 ・7月31日までとなっているトレードや新戦力獲得の期限延長の可否。

 ・戦力外通告時期の後ろ倒しの可否。

 ・現在1シーズン145日となっているFA取得日数の短縮の可否。

 ・12月5日の申請期限を含めたポスティングシステムの期限延長の可否。

 ・公式戦の試合数削減に伴う、出来高を含めた年俸の扱い。

 ・1軍の日程が後ろ倒しになることに伴うイースタン、ウエスタンの日程延長、また例年10月に行われるフェニックス・リーグを含めた扱い。

 ・ファン投票など、球宴の選手選出方法。

 ・新たな開幕日までに行われる練習試合の実施方法。

 FA日数や年俸の課題など、選手会との協議が必要な項目もあり、簡単に結論を出すのは容易ではない。また、新戦力獲得期限なども実際の開幕日が決まらなければ、具体的な協議を進めていくことが難しい。

 今季は11月まで公式戦が組まれる公算が大きい。戦力外通告時期の後ろ倒しは、その選手の今後にも関わってくる。「新しいプロ野球の仕組みを作るようなもの。全部決めていかないといけない」と球団幹部。コロナ禍という前例のない事態で、プロ野球界への影響は極めて大きい。

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