西武・松坂、甲子園中止で訴え「積み上げた日々を証明する舞台を」
98年の高校野球初夏連覇を果たした西武の松坂大輔投手(39)が20日、8月10日に甲子園で開幕予定だった全国高校野球選手権大会の中止が正式に決定したことを受け、球団を通じてコメントした。
「正直、開幕3カ月前の決定は早すぎるという思いはありますが、中止という重い決断をされた日本高野連、主催者の方々は議論を尽くした上での決定だと思います。
決断をもっと遅らせることも出来たのかもしれませんが、『夏の甲子園』と代表校決定の『地方大会』はセットでしょうし、学校自体が再開されていない現状では仕方がない事だと思います。
センバツに続き、夏の甲子園の開催が無くなった事。もし、自分がその立場に身を置いた事を考えると選手のみなさんに掛ける言葉は正直、見当たりません。本当の苦しさは当事者にしか分からないですから。
事実をどう受け止め、次に向かうかという問いに答えもみつかりません。甲子園というものは、それだけ大きな存在です。
ただ、選手の心に寄り添い、アイデアを出し、実行することは大人に出来ます。『出来ない』ことを決めるだけではなく、『出来ることは何か…』を考える。従来の形の地方大会でなくとも、仲間と積み上げた日々を証明する舞台を用意してもらいたいです。
今、ラグビー界では高校3年生の選手支援へ、プレー動画をSNSで拡散する『#ラグビーを止めるな2020』のプロジェクトが話題を呼んでいると聞きます。選手個々や、学校が独自で発信することがルール上難しいのであれば、例えば各都道府県の高野連が許可した上で各学校から送られた動画をのせる。投手ならブルペン投球、野手なら打撃練習、紅白戦の様子でもいいと思います。球場を使えず移動のリスクがあるならば、学校のグラウンドでの取り組みを『インターネット上のグラウンド』で紹介することは出来ないでしょうか。
地方大会を見ることも出来ないプロ、大学、社会人の関係者も目にすることが出来るかもしれません。これは一つのアイデアであり、本当にちっぽけなことです。願わくば、新型コロナウイルスの感染が終息し、選手達が1試合でも多くプレーできることを祈るだけです」