広商・荒谷監督「やるせない」昨夏15年ぶり甲子園出場…苦しい胸の内
昨夏、広島県大会を15年ぶりに制し、甲子園に出場した広島商の荒谷忠勝監督(43)が20日、同校で取材に応じ、今夏の中止について「残念な気持ちです。指導者として、また一人の大人として(大会を開催できなかった)力不足を痛感している」と苦しい胸の内を語った。
同校は現在、休校中で、今週から自主登校が始まったばかり。部活動は4月10日を最後に停止している。選手は自宅で自主練習を行う一方、荒谷監督らがビデオ会議システム「Zoom」などを使って42人いる3年生を中心に面談を重ね、「希望を持って一日一日をやっていこう」と声掛けをしてきた。
しかし、コロナ禍の前に、開催の願いはかなわなかった。「選手は県大会連覇、甲子園での全国優勝を目指して頑張ってきたが、試合を行うことなく、その夢が消えてしまったことが切ないし、やるせない」と選手の胸中を思いやった。
特に最後の大会がなくなった3年生の心のケアをどうするか。現在も部活動再開のメドは立っておらず、選手といつ会えるも分からない状況だが、「会えた時には目と目を合わせて、広商で野球をやってきたことにプライドを持って今後の人生を生きていけるように言葉を掛けたい」。
広島県高野連では代替大会の開催を検討している。「今、選手が欲しているのは思う存分、野球をすること。高野連の方もいろいろ考えていただいているようなので、部活動が再開したときには選手がモチベーションを持って取り組めるような環境作りを考えていきたい」と話した。