渡辺元智氏 新たな夢へ…野球をあきらめないで

 日本高野連は20日、第102回全国高校野球選手権大会の運営委員会と理事会を開き、夏の甲子園大会と地方大会の中止を発表した。これを受けて横浜高元監督の渡辺元智氏がコメントを発表した。

  ◇  ◇

 春に続いて夏も中止という決定は本当に、本当に残念でなりません。選手はもちろん、ブラスバンドの応援団たちもみんな楽しみにしていたはずです。ただ、新型コロナウイルスによる現状を考えると命の方が大事。日本高野連も苦渋の決断だったと思います。

 本当にコロナが憎いです。どうやって言葉を掛けたらいいものか見当がつきません。一つ言えるのならば、球児の皆さんには野球という2文字を忘れないでほしいです。私自身も野球に救われ、野球によって育ててもらいました。

 高校野球以外にも、いろいろな野球があります。プロ野球、大学野球、社会人野球、草野球といろいろな舞台で続けられるはず。たとえ競技を引退したとしても、子どもたちを教えることで野球に携われます。指導者として甲子園に出場するという新たな夢ができるかもしれません。だから、野球をあきらめないでほしいです。

 現役の監督の方々には、この苦しい状況を生徒と一緒になって真剣に考えていただきたい。いきなり“答え”は出てこないでしょう。一緒に悩んでいくことで甲子園とは別の目標を見つける手助けになります。最終的に選手自身の力で乗り越えられれば、この経験は素晴らしいものへと変わっていくかもしれません。

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