【記者の眼】夏の甲子園中止 大学、社会人、独立など“受け皿”拡大を願う
日本高野連は20日、第102回全国高校野球選手権大会の運営委員会と理事会を開き、夏の甲子園大会と地方大会の中止を発表した。
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3年生にとっては進路への不安も拭い切れない。大学のスポーツ推薦では一定の競技成績を満たすことが条件の一つ。志願者数が全国トップクラスの大学では、全国大会出場または地区大会4強という基準を変更しない方針となっている。
大学野球の現場もスカウティングに苦慮する。関東の強豪リーグ所属にするチームの監督は「見る機会がないし、いつもと違って判断するのが難しい」と困惑する。動画サイトに投稿されたプレーを視聴するなど、選手発掘は手探りの状況だ。
推薦枠の増加は今のところ期待できないという。例年は夏にセレクションを実施する大学も開催のメドが立っていない。全国大会常連の社会人チームもスカウト活動を現状ストップしており、過去に練習参加した選手を中心に声を掛けている。四国ILp、BCリーグもトライアウトは例年通りの方向だ。
アピール機会がなくなる中、東都大学野球連盟は競技継続希望者のプレーを見てもらう場が作れないか検討している。首都圏のある地方では高校、大学、社会人による交流戦ができないか模索する動きもあると聞く。今後は“受け皿”拡大の動きが強まればと願う。(デイリースポーツ・アマ野球担当・佐藤敬久)