「練習試合、ロッテ３－８楽天」（６日、ＺＯＺＯマリンスタジアム）

　巡ってきたチャンスを逃さなかった。この日、１軍に合流した楽天のドラフト２位・黒川（智弁和歌山）が、途中出場で二塁打２本の３打点。前日の２軍戦で一発を放つなど、打撃好調を買われての登用に応え「今の自分をしっかりアピールしようという気持ちで来ました」と汗をぬぐった。

　準備は万全だった。２点を追う八回１死二、三塁でジャクソンと対峙（たいじ）。「前の打者も左（渡辺佳）。カウント球がだいたい予想がついていたので、打ち損じないように」。言葉通り１ボールからのスライダーをたたき、打球は右中間を割った。続く九回には益田から左越え適時二塁打。主戦級２人を砕き、存分のアピールとなった。

　昨年の今頃は夏の甲子園を目指していた。今年は春夏ともに、甲子園が中止に。後輩たちと無料通話アプリでメッセージを交わしたという１９歳は「次のステージに向けて頑張っている後輩を見ると力にもなるし、負けていられない気持ちになります」。目指すは開幕１軍。初々しい表情に、力が宿った。