徳島の頂点へ!鳴門渦潮・徳山 右打者へのクロスファイア武器にエースの座勝ち取る
夏の甲子園が開催中止となり、徳島県高野連は7月11日から代替大会の開催を決定した。鳴門渦潮(徳島)には、鈴木連投手、仁木登真投手、徳山一翔投手(ともに3年)の3人の“エース”がいる。1年生当時から「誰がエースになってもおかしくない」と言われ続けてきた3投手を中心に、昨秋初戦敗退の悔しさを晴らすべく、徳島の頂点を目指す鳴門渦潮ナインを取材した。
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最速は135キロ。数字だけなら他の2人の後じんを拝する。しかし徳山には左腕という持って生まれた才能と、2人にはない「右打者へのクロスファイア」という大きな武器がある。
背番号1が欲しい。その思いで腕を磨いてきた。入学時はなかなか強気に攻めることができず、右打者のクロスファイアも甘く入り、痛打を浴びていた。
「2人が活躍する姿を見て、自分も負けられない、と練習を頑張ってきた」
昨年6月、鳴門との親善試合で2人がともに140キロを計測した。その試合に故障で試合に出られなかった徳山は、「140キロは目標の数字。悔しいというより憧れ、僕もそこにいきたい」と思いを強くした。練習を重ね、クロスファイアを「長所」と言えるまでに成長。低めの変化球で勝負できる制球力も「2人に勝っている」と胸を張る。
「この1年にかけてきた」と、秋季大会後から走り込みを増やした上で、10キロの増量に成功。スケールアップした投球でエースの座を勝ち取る。
◆徳山一翔(とくやま・かずと) 2002年4月11日生まれ。175センチ、80キロ、左投左打。小2で海南クラブで野球を始め、外野手から小5で投手に。海陽中野球部で投手としてプレー。