巨人・大城、由伸級センスでポスト阿部へ 3年目正妻候補にあふれるビッグな可能性
待ちわびたプロ野球開幕が近づいてきた。阪神の15年ぶりセ・リーグ制覇はあるのか。巨人の連覇は?広島のV奪回は?はたまた…。試合数減で例年にも増して激戦が予想される今シーズン。阪神の前に立ちはだかるライバル球団番記者による今季の“推しメン”選手を紹介していく。まずは宿敵巨人から、正捕手筆頭候補の大城卓三捕手(27)を取り上げる。
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大城を見ていると、かつて「天才打者」と呼ばれた巨人軍前監督の高橋由伸氏を思い出す。今季から変更となった背番号「24」がそう思わせるだけではない。鋭いスイングで軽々と柵越えを放つ非凡な打撃センス。小林、炭谷と経験豊富なライバルたちもアピールを続けているが、3年目の若武者が正捕手筆頭候補に挙がっている。
印象的なのは3月21、22日(いずれも練習試合・DeNA戦)の2試合連続本塁打。オープン戦は16試合の出場で打率・190と苦しんだが、一気に評価を高めた。タイミングを取る際に始動を早めたことが打撃力向上の要因の一つ。実戦から遠ざかった約2カ月間も有意義に過ごせた様子で、一発を放った5月31日の紅白戦後に手応えを口にしていた。
「(個人調整期間も)外でバッティングができていたので、その辺の感覚は大丈夫でした。思ったよりすんなり入れたと思います。キャンプから言っていますけど、アピールすることが大事なので」
原監督も「今年の中で伸びた選手ですね。体も大きくなったし、飛距離がね。可能性はすごく大きく見えます。楽しみな選手です」と高評価。守備面の成長にも目を細め、開幕投手を務める菅野とのバッテリーについても「とてもいいと思います」と絶賛していた。
今月3日に新型コロナウイルスの陽性反応が出て、調整に遅れが生じていることは事実。現状では19日の阪神との開幕戦でスタメンマスクをかぶるかどうかは微妙な状況だ。ただ、強打の捕手として、昨年現役を引退した阿部の後継者となり得る素材であることは間違いない。巨人軍の新たな看板選手になるかもしれない。(デイリースポーツ・巨人担当・中野雄太)