日本高野連は１０日、ウェブによる第６回理事会を開催し、８月に甲子園球場で「２０２０年甲子園高校野球交流試合（仮称）」を実施することを発表した。新型コロナウイルスの影響で史上初の中止となっていた「第９２回選抜高校野球大会」の出場３２校を招待し、各校が１試合を戦う。原則無観客で、８月１０日から１２日、１５日から１７日の計６日間で開催。夢が途絶えた球児への「救済措置」として、最後に甲子園という最高の舞台が整えられる形となった。

　明徳義塾の馬淵史郎監督（６４）は高知県須崎市内の同校で会見し「耐えて頑張った選手たちにご褒美がきた。甲子園からお迎えがきた」と独特の言い回しで、交流試合開催を喜んだ。

　１試合限りだが真剣勝負だ。「１回戦を勝って次へ進むというような、通常の大会の位置づけで臨みたい」と本気モードを宣言。ベンチ入り２０人については「センバツの切符を勝ち取ったメンバーを中心に。１年生を入れるつもりはない」という。

　その目線は“因縁”の相手に向けられた。カードは未定だが、対戦したい高校には星稜と明石商を挙げた。星稜とは昨秋の神宮大会で、９２年夏の甲子園の“松井秀喜５打席連続敬遠”以来、２７年ぶりに公式戦で対戦し、８－５で勝利。「いい試合ができると思う。力は向こうの方が上ですけど」と早くもけん制していた。