高知商・西村 プロになりたい!最後の夏の甲子園かなわず「ここで諦めていられない」
高知県代替大会が来月18日に開幕する。18年夏の甲子園で1年生ながら、レギュラーとして活躍した高知商の西村貫輔内野手(3年)。もう一度甲子園へ。その夢はかなわなかったが、プロ野球選手という自分の夢へ向けて、前を向いた。
甲子園大会中止に大きなショックを受けた西村。「悔しかったけど、自分にはプロ野球選手になりたいという夢がある。ここで諦めていられない」。すぐに次のステージを見据えた。
18年夏の甲子園に1年生ながらレギュラーで出場した。初戦から7打席連続で出塁するなど通算打率は5割。1回戦の山梨学院戦では決勝打を放った。
当時から度胸満点。「あんな大勢の前でプレーしたことがない。みんなに見られて、自分をアピールできる場所だった」と大舞台を振り返る。指導する上田修身監督(58)も「勘、視野の広さ、教えてもできないものを持っている」と野球センスをたたえる。
昨年は挫折も味わった。8月の新人戦は決勝で明徳義塾を破り、14年ぶりの優勝。しかし、続く秋季県大会は、準決勝・岡豊戦でコールド負け、そして3位決定戦でも明徳義塾に敗れた。
「秋も勝てるやろう、という甘い考えがあった」。自身も試合の中で全力疾走を怠り、チャンスを広げられなかったという。反省するとともに「満足したら人間は伸びない。満足せずに上を目指そう」と全力プレーを改めて誓った。
冬は柔軟性を保ちつつの体作りに着手。学校に弁当箱を3つ持参し、秋から6キロ増量した。体格も技術も成長した姿を見せつける。「驚異的な数字を残して、『すごい』と思わせる選手に」。仲間たちとの最後の夏、自分の夢のためにも、全力疾走で駆け抜ける。