ヤクルト・高津監督「すごい当たりだった」殊勲の村上、星も称賛
「ヤクルト9-5広島」(2日、神宮球場)
混戦極めるセリーグで、高津ヤクルトは1点を争う激戦を今季2度目のサヨナラで飾った。頼れる若き主砲・村上のサヨナラ満塁弾で、チームは3位浮上。19年5月18日以来の貯金生活を、チーム一丸でつかんだ。
最大の見せ場は、九回に訪れた。坂口が四球、山田哲が内野安打で続くと、青木も右前打…。さぁ4番へ。最高の舞台が整った。すると、村上が開幕戦の“借りを返す”一撃を放つ。球団史上8人目の満塁サヨナラ弾で、シーソーゲームに終止符を打った。
村上がベンチへとバットを向けると、仲間たちも飛び出す。ゆっくりと歩き始めると、最後は歓喜の輪に飛び込んだ。「1点を取ろうと思って。(打った瞬間)勝ったと思いました。開幕戦で満塁で回ってきたときに三振をしてしまったので、その借りを返せたのかなと思います」と笑顔のお立ち台だ。高津監督も「打った瞬間だった、すごい当たりでした」と最敬礼。チーム一丸となって、劇的勝利をつかんだ。
それでも高津監督が、もう一人の“ヒーロー”の存在を話した。崩れたイノーアの後を引き継いだ、星の3イニングだ。「1点は取られたけど、もう1回反撃のきっかけを作ってくれた」と今季初登板となった右腕をねぎらった。昨季までは2番手以降の投手も点差を広げられるケースも多く、3回5安打1失点と流れを断ち切る力投。「星が建て直してくれた」と目尻を下げた。
まさにチーム一丸となってつかんだ白星だった。脅威の出塁率を誇る1番・坂口はこの日も3四球を選び、役割を全う。青木&山崎はマルチ安打で、西浦は2本の同点アーチでチームを鼓舞し続けた。また梅野、マクガフ、石山も無失点でつなぎ、広島相手に連勝だ。3日からのDeNA戦へ勢いをつけた。