ヤクルト・寺島やった4年目でプロ初星 高津監督にやっと“恩返し”

 「中日1-2ヤクルト」(7日、ナゴヤドーム)

 握られたボールの重みが心に染みた。4年目でつかんだプロ初勝利。ヤクルト・寺島が笑顔で高津監督とのやりとりを明かす。「うれしいか?」「うれしいです」。七夕の夜にかなった思い。祈り、願いは確かな形になった。

 9球でつかんだ白星だ。1点を争う緊迫した攻防。その九回に送り出された。「あのような場面で投げさせてもらった」。1死からA・マルティネスに左前打を許すも表情一つ崩さない。目の前の打者一人一人と向き合い、「0」を刻んだ。

 「この3年間は何もしていない。本当に苦しかったですね」。16年度ドラフト1位で入団。だが左内転筋筋膜炎、左肘痛など故障に悩まされ、長く続いた2軍生活。悔しさが言葉になった。そんな左腕の胸には、今でも当時の高津2軍監督の言葉が刻まれている。

 「対自分ではなくて、対打者にしっかりと意識を向けなさい」

 今季6試合目につかんだ初白星。今季の防御率はいまだ0・00だ。「必死なので。これからも継続していきたい」。苦節の4年目、はじまりの1勝だ。

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