ヤクルトが逆転勝利で首位に1・5差 高津監督「いい3連戦でした」
「中日6-8ヤクルト」(9日、ナゴヤドーム)
ヤクルトが中日に九回1死から土壇場での逆転勝利。3位を死守し、首位・巨人とはゲーム差1・5差まで縮めた。
諦めない気持ちがあふれた。八回のマクガフが逆転を許した直後の九回だった。1死走者なしから、主将の代打・青木がチームを鼓舞する。あと数センチで本塁打の当たりで二塁打を放つと、坂口が四球。山田哲の打席での暴投で二、三塁となると、中日ベンチは申告敬遠を告げた。
プロ入り初の3番に入った山崎との勝負を決断した中日ベンチ。高津監督は山崎に「打っていいぞ」と声をかけた。バットを強く握ると、指揮官の思いに応える。左前にはじき返し、走者2人が生還。価値ある決勝打をもぎ取った。「ああいう場面で、(山田哲の)四球は頭にあった。プレッシャーと言うよりは、前回(岡田に)三振しているので、やり返してやろうと思っていました」と胸を張った。
さらに村上も「ずっとチャンスでふがいなかったので」と、これまでの鬱憤(うっぷん)を振り払う一打で続いた。2点適時打で貴重な追加点。この日は4打点の大暴れだった。
故郷である熊本を含む九州では、梅雨前線の影響で豪雨の被害が拡大している。村上は自身のインスタグラムのストーリーで「熊本の皆さんに少しでも元気が届けられますように。今日も野球ができることに感謝して頑張ります」と綴っていた。この日見せた故郷に勇気を届ける一打。「僕たちにはわからない(大変な)思いをしている。少しでも元気を届けられたらなと」と話した。
大逆転劇に高津監督は目尻を下げた。「この3連戦は一進一退の展開だった。今日はリリーフがやられてしまったけど、試合を作った投手陣と勝ち越されてもなんとかとやってくれた野手陣と…うまくかみ合ってくれた。いい3連戦でした」。
初夏のロードは2勝1分の最高の船出となった。途中交代が心配された西浦も大事をとった交代で、次戦からは出場する予定。チーム一丸となって、明日から首位・巨人と戦う。