近江のスーパー1年生 鮮烈デビュー、投打でチーム救った

近江対光泉カトリック 9回、最後の打者を打ち取り、笑顔を見せる近江・山田陽翔(左)=湖東スタジアム(撮影・北村雅宏)
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 「令和2年度 夏季滋賀県高校野球大会・2回戦、近江1ー0光泉カトリック」(24日、湖東スタジアム)

 昨夏の滋賀大会決勝と同じ顔合わせとなった対戦は、同じスコアでまたも近江が勝利。チームを救ったのは、「スーパー中学生」として中学時から注目を集めていた、最速144キロ右腕の近江・山田陽翔投手(1年)だ。緊急登板での3回無失点ピッチングに加え、打っては決勝打を放つ活躍。鮮烈な公式戦デビューとなった。

 「抑えてやろうという気持ちでマウンドに立ちました。緊張はあまりしないです」と山田。先発の田中航大投手(3年)が好投していた中、七回に登板直前に足をつるアクシデント。治療後に一度はマウンドに向かったものの、続投は不可能で、山田が2番手でマウンドへ。

 「3年生の方々がやりやすい空気を作ってくださったので思いきってプレーできました。マウンドに集まった時も『笑え、笑え』と言ってもらったので」

 田中のアクシデントから投球練習を開始したため、万全の準備というわけではなかったが、七回は2三振を奪うなど3人でピシャリ。するとその裏の七回2死一、二塁の好機で「リラックスして打席に入りました」と初球を思い切り良く振り抜き、左翼線沿いへの先制の適時二塁打とする強心臓ぶりだ。

 八回は2死一、三塁を招きながらも無失点。九回は1死後に長谷川勝紀捕手(3年)が足をつって急きょ交代するアクシデントに見舞われたが、捕手が代わっても動じることなく後続を2人で抑えて1点を守り切った。近江はプロ注目の土田龍空内野手(3年)が出場していた(この日は無安打)ため、ネット裏には阪神や巨人などプロ8球団のスカウトが集まっていたが「1年生とは思えない」といった声があがっていたほどの輝きだった。

 中学時代に「大会で出したのは(最速)141キロです」と山田。中学3年時にテレビ番組で元阪神の亀山つとむ氏や巨人の元木ヘッドコーチらと対戦。番組内で142キロが出たこともあり全国で知られる存在に。また、中学1年時と3年時には日本代表として世界大会にも出場している。

 近江・多賀章仁監督は「1年生は28人いますが、リーダーシップを取ってキャプテンをするような感じのピッチャーです。あの場面で、あれだけのことを1年生がなかなかできない」と賛辞。山田は「地元で甲子園に出たい気持ちがあったので、近江高校を選びました」と力を込める。全国的に3年生に注目があつまる夏の代替大会で、スーパー1年生が堂々の初陣を飾った。

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