甘いマスクも父譲り 甲南の野田浩司氏長男・泰司朗が2安打1打点
「高校野球兵庫大会・2回戦、甲南9ー2尼崎西」(24日、ベイコム野球場)
阪神やオリックスで活躍し、1試合19奪三振のプロ野球記録を持つ野田浩司氏(52)の長男の甲南・野田泰司朗内野手(2年)が「9番・三塁」で出場。適時二塁打を含む2安打1打点で、八回コールド勝ちに貢献した。
「元々あまりバッティングは得意ではないのですが、先生方に根気よく声をかけていただいてそれを意識して練習して、結果が出たので良かったです。コンパクトにいくというのをやっていて練習試合でも良かったので」
1点差に迫られた直後の四回だ。1死二塁から変化球を振り抜くと、打球は左翼越えの適時二塁打となった。八回にも左翼線沿いに運ぶ安打で出塁。「先輩方に恩返ししたいと思っているので。去年からベンチに入れてもらって、試合に出させてもらってますがなかなか結果を出すことが…。去年の秋も自分が打っていたらというのがあって」。野田にとっては、3年生への感謝の気持ちを持って戦う大切な夏となる。
昨日は父から「緊張しているのは相手も一緒だから、平常心でやって、いつも通り自分のプレーを出すように」とアドバイスされた。普段から「練習試合とかを見に来てもらって、帰り際にアドバイスをもらったり」と野球の話をすることが多いという。
1試合19奪三振の映像も見たことがあり、「引退してから自分が生まれて、それを見てすごいなと。やばいピッチャーだったなと(笑)」と振り返る。新型コロナウイルスによる自粛期間中も「『この時間がある中で自分でやることを決めろ』と。『野球に対して一生懸命取り組め』とか、『時間がある中で予定をたてて、効率良く時間を決めて過ごすように』と言われました」と話し、野球中心の生活を意識して過ごしたという。
まだ2年生ということもあり、この夏が終わっても野田の高校野球は続く。「(将来的に野球をやるかは)今は特に考えてないですけど、将来仕事をする上で野球に携わりたいなと。(ずっと)やってきているので」。父親譲りの甘いマスクと熱い思いを胸に、まずは今大会で今の自分をすべて出しきる。