ヤクルト・山中、8回0封 687日ぶり勝ち星つかずも「楽しく投げられた」
「中日0-0ヤクルト」(2日、ナゴヤドーム)
高津ヤクルトが、今季初の3連敗は懸命の継投で阻止。投手戦を引き分けで終え、本拠地・神宮へと戻る。
高津監督の心配を、いい意味で大きく裏切った。今季初先発だった山中が魅せる、意地の快投劇。中日打線を翻弄(ほんろう)し、8回4安打無失点の好投だった。試合後の指揮官は、「2軍で球数もあまり投げられていなかったのもあって、継投とかも計算したんだけど」とし、「そんな心配をするあれもなく、本当にストライク先行で彼らしい、テンポのいい投球をしてくれた」と快投を絶賛した。
687日ぶりの勝利には届かなかったが、山中は開口一番に「今日は楽しく投げられた」と振り返った。今年9月で35歳。「自分の立場がわかっているので、本当に腹をくくって、指名された以上は自分の投球をしようと思っていました」と言葉に決意を込めた。
今週は2軍からの“刺客”が好投でチームを鼓舞した。29日の阪神戦では原が5回1失点で2勝目、30日の同戦では高橋が8回無失点で今季初勝利を挙げた。そしてこの日は今季初先発の山中が8回を0封。高津監督は「2軍からきたから戦力が落ちた、2軍からきたから打たれましたでは強いチームとはいえない」と言い、「きょうであったり、樹理であったり、奎二であったりのピッチングがチームにとってはいい。すごく助かりますね」と選手層の底上げに目尻を下げた。
山中に1勝をつけたい一心で、チームは重盗をしかけるなど積極的に動いた。それでも中日・梅津の前に0点。高津監督は「ぜひ勝ちをつけてあげたかったけど、また次投げてもらいたい」と次戦の登板も明言。次こそは2年ぶりの勝利をプレゼントしたい。