愛媛・西条がコールド発進 受験優先で2人が引退 エース高橋「2人のためにも」
「高校野球愛媛大会・2回戦、西条10-0土居」(3日、西条市ひうち球場)
最速142キロ右腕・高橋晟士朗投手(3年)を擁する西条が、五回コールド勝利で初戦を突破した。
2球団のNPBのスカウトが視察する中、先発した高橋は「体が全然動いていなかった」と言いながらも、長身から投げ下ろす直球と、鋭く落ちるカットボールで相手打線を圧倒。3回2安打無四球無失点でこの夏最初の公式戦登板を終えた。身長188センチと体格に恵まれており、視察した中日の野本スカウトは「バランスがいい。素材的に楽しみな選手」と評した。今後は大学に進学し、将来的なプロ入りを目指す。
チームは引退した仲間のためにも、愛媛の頂点を目指す。甲子園が中止となり、受験に専念するため2人の部員が引退を決断。7月に行われた、小松ら西条市内の高校との対抗戦が2人の引退試合となった。河野健介監督は「その試合で2人が頑張ってくれたことが大きかった」と、チームのモチベーションとなってることを明かす。高橋も「2人のためにも、という気持ちはある」と、仲間への思いを口にした。
次戦は強豪・小松を撃破した新居浜商と対戦する。「優勝を狙わないといけない戦力」と河野監督。秋山拓巳を擁し愛媛県を制した、09年以来の夏の頂点へ突き進む。