今治西・エース越智「緩急で勝負」直球で金属バット折れちゃった
「高校野球愛媛大会・準々決勝、松山聖陵10-1今治西」(6日、西条市ひうち球場)
金属バットが根元からポッキリ折れた。見たこともないような光景に球場がざわついた。
ざわめきをつくり出したのは今治西のエース・越智崚介投手(3年)だ。五回2死三塁、松山聖陵の2番・鎌倉昇磨内野手(3年)へフルカウントから投じた直球。打球はライナーで一塁へ、同時に、バットも同じ方向に吹っ飛んだ。すっぽ抜けではない。鎌倉の手元にはグリップの一部が残っていた。
「緩急で勝負するタイプ」を自認する越智。金属バットを折ったことにも「特に何も思わない。気持ちを込めて投げるだけだった」と冷静だ。この日は「思い切って攻めよう」と果敢に内角へ投じ、五回まで無失点。六回に5失点で降板し「3年生のみんなにありがとうと言いたい」と真っ赤な目で話した。
バットは使用して半年ほどの試合用だった。折られた鎌倉は「結構、しっかりと捉えたと思ったので…」と言葉を失った。折れたバットは審判部が持ち帰り、メーカーへ調査を依頼する予定だという。